道具への畏怖

もう7、8年も前のこと
息子の中学一年の五月の授業参観でのことです
それは剣道の授業でした
はき慣れない袴の紐がほどけたようで
息子は慌てて持っていた剣を股に挟み
紐を一生懸命結びなおしていました

剣道や剣を使った武道をされている方なら
すぐにピンとくると思います……
お恥ずかしいことにわたしはそれらにまったくうとく
ことの重大性をわかっていませんでした

息子はその場で先生から
けっこうなカミナリを落とされていました
武道とは厳しいものなのだなと見ていました

今日、読んだコラムには
同様に刀を使用した武道をされている方が
「刀を跨いだり、刀に足を向けるものは
 刀によって報いを受ける」
と師からはじめに厳しく言われたと
その師の言葉には深い畏怖があったと
書いてありました

7、8年たった今日
フラッシュバックした記憶
ようやく心にストンと落ちました

剣にたいして恭しい気持ちと畏怖の念とを
あわせもつことで
木刀の扱いにさえ自然と敬意が伴う
それは技が上の人程深い

茶道で言うと
お稽古用の道具が木刀にあたるのだなと
なるほど…と納得しました

お稽古用の道具だからと
軽い所作で扱っているうちはまだまだ…
確かにそのとおりです
お稽古用の茶碗は
茶道具と茶道を敬う心と所作を磨くもの
お稽古が表面的でなく
自分自身の深層に達っせられるように…

お稽古が再開されたときには
あらためて社中のみなさんに
お伝えしていこうと思います

裏千家茶道教室soshu

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